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医療区分適正実施評価調査コメント サーベイヤー側から 
 

1.今回2ヶ所の病院で調査を行いました。いずれも真摯に取り組んでいる様子が伝わってきました。また共通の問題点も数多くありました。

2.いずれの病院もチーム医療に積極的に取り組んでいたのが印象的でした。また医師の診療録の記載に問題点が見出されました。
非常に意義深い調査でした。

1.全体について回答形式は、細項目別に、a,b、cの判定がよりわかりやすく又データー分析にもよいと考えました。

2.5領域は医療区分や治療上の問題で適、不適の判断が困難なこともあり次回実施時は省くか又は問題になりやすい項目のみとしてよいと考えました。

1.病院により対応方法に差はあるものの、医療区分に対する理解は良くされているようでした。

2.評価票に記入するに当たって、吸引回数、酸素吸入などについて、通常の診療記録のほか、チェック表を新たに作成するなどの対応をされている病院がありました。このような二重、三重の記録が直接ケアを阻害している感が否めません。

3.療養病床入院基本料2の算定要件についての認識が薄いようです。特に医師を中心に、診療計画を定期的に見直す努力が必要なようです。

4.診療記録の記載方法がまちまちで、多職種間のコミュニケーションが、カンファレンスだけになる場合が多いようでした。

1.準備期間もそれ程無くあわただしい調査ではあったが、調査する側もされる側も改めて医療区分の実施の在り方に対してじっくり勉強する機会となり、予想以上に成果はあったように感じた。

2.私達の班は2泊3日で3病院の調査となり、調査自体の日程としてはそれ程無理はなかったが、やはり平日に3日間病院を空けることとなり、このサーベイヤーを今後継続的に続けられるかどうかという点については、少々問題もあるかと思われた。

3.調査内容の記載が不十分で、報告書を作成する段階で思い出しながらと言う点もあったので、今後の調査がある場合はもう少し調査内容の記録の在り方(例えば、調査中に書記を決めておく等)が必要であったと反省している。(調査実施直後に、チームで十分検討すると良かったかも知れない)

4.医師の協力体制や記録の不備、月1回の入院療養計画書作成、看護師・介護士不足(募集しても集まらない)の実態等、共通の問題点も多くあった。

意見として
1.可能であれば、今回調査に関わったサーベイヤーがもう一度集まって、それぞれのチームの調査手順や報告書の作成の仕方、更に調査や報告書作成の中での問題点等を話し合う場があればよい。

2.今後の継続を考えれば、調査手順やチェック項目をもう少し標準化出来ると良い。

1.サーベイを受審することにより医療区分に対しての疑問点や認識の相違についてお答えすることができ、受審された病院側としては良かったのではないかと思われる。

2.自己評価がb・cであったり、最初は不安げな表情であったのが、私達なりのアドバイスで表情に変化が見られた。情報入手のためのツールをどれだけ持っているか、スタッフがどれだけ意識して取り組んでいるかにより、医療区分の認識に差がでている。

3.医師の協力の有無は大きく影響している。

4.管理職はある程度理解し、頑張っておられるが、まだまだ末端への周知は不足している。

5.事務職や介護職・相談員がもっと介入した方がよいのではないか。介入の方法が不安定なところが多いと考える。

6.各々の病院が、特質を活かしながら、区分2・3の確保に取り組んでいることは、療養型の見直しという本来の目的に合致しますが、区分の内容の合理性と矛盾の見直しが求められる。

7.真面目に取り組んでいる病院は助け合って乗り切っていけるよう、今回のことを活かしていかなければならない。

8.受審病院で取り組んだり工夫されている点などを見せていただいたりお話を聞かせていただいたりと、こちら側も得ることの多い審査であった。

9.他院を知ることができ、自分たちの病院との比較をすることも出来、双方の利益になった。

今後は
1.経費の問題があるが、またサーベイを企画して頂きたい。

2.サーベイヤー間での見解のズレ等がないようにサーベイヤーの勉強会も必要でないか。

3.措置期間が外れたらどうなるのか。評価の意義の把握不足により、きちんと区分がとれていない点はどうするか。今後の情報提供とその入手の方法が、ますます必要になってくる。

1.各医療区分に対する判定基準を医師・看護・MSWともに予想以上にきちんと把握されていた。

2.特殊疾患療養病棟からの経過措置の患者さんが非常に多く、そのため5領域の多くがNAとなってしまった。実際に経過措置でない患者さんで発症した際に対処可能かについては、推察のみで判定となるためNAとした。このままのシステムが続くなら2年間経過した後にも再度実施するべきかと考える。

3.また評価表を病棟担当医師みずから記入されていたので驚いた。医師が率先して病棟全体で医療区分導入について取り組まれている姿勢が好ましかった。

医療療養病床に医療区分が導入されてからの日が浅いにもかかわらず、両院とも懸命な努力をしておられた。むしろ我々サーベイヤーのほうが教えられたり、参考にしたい部分があったりと学ばせていただく機会になった。

   

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