日本慢性期医療協会 被災病院への支援の取り組み 経過報告

日本慢性期医療協会では、会員の皆様や関係団体等にご協力いただきまして、被災病院への物資の支援と看護職員の派遣を行っております。支援の状況について、随時ご報告いたします。


 


2011.3.25

会員各位の迅速な対応により、お陰様で3,600箱を超える支援物資が集まり、感謝致します。
物資は、第1便として、3月17日に常陸大宮市ならびにいわき市への輸送に続き、3月24日、3月26日に第2便、第3便として、10トン積みトラックで2回にわたり、福島市、仙台市、石巻市の9病院に計約2,000箱の支援物資を輸送中です 当協会での支援物資の受付けは、現在届いているところまでで終了させていただきたいと思います。今後のご支援については、義援金でのご厚情を賜りますようお願いいたします。


物資をお送りいただいたヴィラ町田の様子

 

2011.3.25 (第4報)

3月24日 現地報告 緑成会病院 准看護師 山野邊秀雄

途中、瓦礫のため道が阻まれる箇所もありましたが、15:00に福島、17:00に仙台、そして20:30に石巻に無事到着し、物資をお届けすることができました。

(福島県福島市・福島寿光会病院)
原発事故の影響で避難されたクランケの受け入れで病院は満床。ガソリンの給油困難を受け、医療物資の不足が深刻な状況です。支援物資を心から待ちわび、届けた時はスタッフ皆さんの安堵の表情が印象的でした。

(宮城県 仙台市・杜都中央病院、貝山中央病院、角田市・金上病院、名取市・守病院、松島町・松島病院)
水道設備の復旧の見通しがたたず、大変だと聞きました。物資の搬入中にも地震が起きました。搬入時には大勢のスタッフが一丸となり、スピーディーに作業が行なえました。「支援物資で一息つけます、大切に使います」と喜ばれました。

(宮城県 石巻市・石巻港湾病院、斎藤病院、若柳町・石橋病院)
主要幹線道路まで津波の被害が広がり、道全てが海砂で覆い尽くされていました。トレジャーボートが道を防ぎ、車が何台も横転している様子は、報道で見る映像より被害の大きさを感じました。しかし、物資の搬入を待っていた若い医療福祉スタッフたちが、自分達の出来る事を必死に守り復興を切に願って働く姿に感動しました。10トントラックの物資もあっと言う間に搬入を終了しました。復興には時間がかかりますが頑張って下さい、とお話ししたところ、頑張ります、と力強く答えてくれました。夜の暗い状況ではありましたが想像を絶する光景を目の当たりにし、自分だったらこの状況をどう打破して行くだろうか・・・と考えさせられました。


物資を搬入する医療スタッフ

 


石巻市の市街地

石巻市の市街地

 


会員施設の被災状況

 

2011.3.23 (第3報) 3月16日 茨城県常陸大宮市、福島県いわき市への支援報告
大内病院 医療安全管理者・看護主任 片山尚貴


3月16日午前、日本慢性期医療協会事務局に集合。メンバーの顔合わせを行いました。その後トラックと連絡を取り合い集合場所等の確認を行いました。出発準備中にも地震があり不安もありました。

常磐道、守屋SAにてトラックと合流。茨城県常陸大宮市の志村大宮病院へ向かいました。高速道路も水戸ICを過ぎると路面の破損、隆起している箇所もあり、慎重に進みました。最寄のICを下りて一般道を進むと、民家の塀が倒れていたりするのを目にしました。途中の橋が崩落しているようで、迂回をしながらの進行となりました。途中、病院の方からお電話を頂き、無事に志村大宮病院まで到着できました。病院の前でスタッフが待ち受け、我々のトラックと救急車を誘導してもらいました。病院では20〜30名のスタッフの方が到着を待っていてくれて、リレーをしながら10tトラックの約3割の荷物をおろし始めました。予想していたよりもかなり早く終了することができました。
我々の到着前に電気が復旧したとのことで、停電の状況であったら作業にも大きな支障をきたしていたと思います。物資を見ると、スタッフの方は「水がきた」と喜んでくれていました。また何度も「ありがとうございます」とお礼を仰ってくださいました。院長先生をはじめ、スタッフの皆さんは疲れていると思われるのに笑顔で元気な様子でした。その様子を見て、疲れも軽くなり自分たちもがんばらないと、と、強く思いました。さらに我々のためにカップラーメンとお茶を用意して頂きました。昼食以降、何も口にしていなかったので身体も温まりました。

その後、福島県いわき市の松村総合病院へ向かいました。到着が深夜近くになってしまい、ご迷惑をかけることになってしまったのですが、こちらでもスタッフの方々が待っていてくれました。放射線対策でキャップ、マスク、ゴーグル、ガウンを着用しました。こちらでは15〜20人程度で荷物を下ろしました。風は冷たく0℃以下になっていたのではないかと思います。10tトラックの約7割の荷物のため、途中休憩を入れながら作業をしました。我々と病院のスタッフの方で協力して行えたと思います。荷物の多さに驚かれていましたが、欲しい物が来たとの声も聞かれました。スタッフの方と話をすると、原発の事故は全然現実味がないと話され、また、ガソリンがないので当分家に帰れないと思うという話を聞きました。そのような環境の中でも、患者さんのためにケアをしていることを強く感じました。荷物の運び込みが終了すると、こちらでも、おにぎりと味噌汁をご馳走になりました。
スタッフの方々の表情には疲労感もみられ、苦しい環境の中で、逆に我々のほうを気遣って頂き申し訳ない気持ちと、ありがたい気持ちになりました。スタッフの方々に見送りをして頂き、途中雪が降る中帰路につき、途中で仮眠をしながら東京都新宿区にある日本慢性期医療協会の事務局に戻りました。

今回の派遣を振り返ると、被災地では医薬品をはじめ様々な物が不足していることを実感しました。また、被災地にいるスタッフの方々は疲労、不安もある中で患者様のためにがんばってケアをしている姿が強く印象に残っています。


2011.3.18
(第2報)

会員各位の迅速な対応により、お陰様で続々と支援物資が届いており感謝致します。
3月16日に常陸大宮市・志村大宮病院、ならびに、いわき市の松村総合病院、こうじま慈愛病院、小名浜生協病院、いわき湯本病院に、会員各位よりお送りいただきました支援物資を10トントラックで届けてまいりました。
また、救急車で男性看護師4名も同行し、物資の配送補助を行い、現地の状況を視察してまいりました。現地への道は、傷みもひどく、福島原発の放射能漏れの危険もある中、かなりの困難を伴いましたが、無事に到着し、物資をお渡しすることができました。
ただ、会員施設のなかでは、未だ3施設の電話が不通となっており心配しております。新聞社、NTTの伝言板などを通して、状況の把握に努めているところです。
来週には、宮城県方面へ物資を輸送する予定ですが、被災地が広範にわたりますので、なかなか思うように物資が行き渡る状況にはございません。今後も、長期におよぶ支援が必要となることから、特に点滴、抗生物資などの医薬品が不足してまいります。各位におかれましては、引き続き物資のご支援をお願い申し上げるとともに、義援金としてのご支援も賜りますようお願い申し上げます。
また、救急救命にまずもって取り組むことは勿論のことですが、今後は急速に慢性期医療への需要が増えてくると思われます。会員施設への対応のみならず、慢性期医療に取り組む病院、施設すべてへの支援が必要になってまいります。さらに避難場所においても慢性期医療の提供が求められることから、医療チームも組織して現地に向かいたいと思いますので、スタッフの派遣についての援助もお願い申し上げます。日本慢性期医療協会として、引き続き全力を挙げて復興に向け支援してまいりますので、各位のご協力をよろしくお願いいたします。
      
3月16日、当協会事務局より出発                   現地入りした男性看護師
 
2011.3.15
(第1報)
支援物資の調達が整いつつありますので、明日3月16日、第1便として10t積みトラックにて、福島県方面の慢性期病院に、医薬品、衛生材料、消耗品、食糧などを輸送いたします。
また、男性看護師5名を同時に派遣し、現地スタッフの交代要員として患者に当たる予定です。
   


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