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ターミナルケアに関する看護および介護職の意識調査報告   集計結果(PDF形式)
 

ナース・マネジャー委員会 服部紀美子(定山渓病院看護部長)

1.ほとんどの施設において、「治療の意思確認」は行なわれていた。確認する時期は、ターミナル期が40%で、意思確認の対象は家族が多かった。療養病床に入院することは「ターミナル期」を見据えてケアを行うことが求められ、その時期になってから治療の意思確認をおこうことが適切であるか否かは、意思確認の対象も含めて、今後の検討課題となる。

2.意思確認の面談の際、「病棟スタッフが同伴している」が約70%、「時々同伴」「必要に応じて」が30%の回答であった。意思確認を行う際は、病棟スタッフが同伴することにより、患者・家族の意思を尊重したケアプラン作成につながる。そのため、同伴できる体制作りも重要である。

3.ターミナルケアで必要と考えている事柄の上位は、「痛みなどの苦痛の緩和」「患者や家族への精神的な支援」「患者や家族との十分な話し合い」であった。「痛みなどの苦痛の緩和」は、他の高齢者施設とは異なり、医療機関としての療養病床の役割・特徴が現れていると考えられる。

4.ターミナルケアを実践するに当たり、「職員教育」を行うことが最も重要であると回答している。

5.ターミナルケアの悩みで最も高かったのが、看護職の場合「家族と医療側の意見の相違」であり、介護職の場合は「急変に対する不安」であった。「病状などの質問への説明」「家族と医療側の意見の相違」の悩みを軽減するためにも、意思確認の際にはスタッフが同伴することが望まれる。更に、カンファレンスを他者の意見の確認や、ケアプランを共有する場として活用すべきである。また、急変に関しては、起こり得る状態をケアプランに記載しておくことが必要になる。

6.ターミナル期のケアプランに関して

1)ターミナル期のケアプランを立案していないという回答が、全体の約20%であった。状態が不安定であるからこそ、ケアプランが最も必要とされる時期であることの再認識が必要である。

2)ケアプランの立案者は、「担当看護職」「担当介護職」が行なっていることが多い。

3)ケアプランの見直しは、約50%が「常に見直し」であり、ケアプランの立案はするが、評価・修正の実施が行なわれていない現状がある。

4)ケアプランの看護・介護職の共通認識は、約60%が行なわれていると回答している。しかし、「されていないことが多い」「されていない」との回答もあった。患者の一番身近な存在である看護・介護職の共通認識は、ターミナル期に関係なくケアにとって不可欠である。

7.ターミナル期のカンファレンスについて

1)カンファレンスを「実施していない」という回答が30%あった。
カンファレンスに参加している職種は、看護職・介護職・医師の順に高く、MSW・リハスタッフの参加は半数以下、管理栄養士の参加は約30%であった。

2)カンファレンスのご家族の参加は、「原則として行なっていない」という結果が半数であった。

3)カンファレンスを実施するにあたり、看護・介護職共に「家族の意見」が最も重要であると考え、次いで「患者の意見・意思」、「苦痛への援助」であった。

8.死亡後カンファレンスについて

1)死亡後カンファレンスは、70%が「実施していない」という結果であった。
実施している場合、カンファレンスに参加している職種は、看護職・看護管理職・医師・介護職の順に高く、MSWは約30%、リハスタッフ・薬剤師・管理栄養士の参加は10%台の結果であった。

2)死亡後カンファレンスを実施している場合であっても、カンファレンスにはご家族の参加はほとんどされていない現状があった。

3)死亡後カンファレンスの実施は、約60%が今後のケアへ活かされていると回答している。

9.ターミナルケアの教育について

1)院内でターミナルケアについての教育が実施されていない施設が多い。

2)ターミナルケアの教育において「緩和ケア」に関する回答が最も高かった。特に看護職においては80%以上であった。「ターミナルケア」「緩和ケア」というと“がん患者へのケア”をイメージされるが、療養病床もその役割を担っている。しかし、スタッフとしては療養病床における「ターミナルケア」「緩和ケア」について模索している現状であり、そのことはアンケート結果供檻兇らも推察される。

10.ターミナル期に、自院の入院希望の有無については、「どちらともいえない」という結果が高かった。看護・介護職員は、現状のターミナル期のケアがベストとは考えておらず、療養病床におけるターミナルケアの確立の必要性を示唆した結果であると考える。

   

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