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第14回日本療養病床協会全国研究会〔京都大会〕
  開会式 会長 木下毅 御挨拶  

平成18年9月7日(木)/国立京都国際会館メインホール

 日本医師会長・唐澤朕様諭厚生労働省総括審議官宮島俊彦様はじめ、関係団体、地元京都の皆様のご臨席を賜り、また全国の会員病院から1700名にも及ぶ職員の参加の下、第14回日本療養病床協会全国研究会が開催できます事を心から感謝いたします。

 今、療養病床は大きく変革を迫られています。昨年12月には唐突に介護療養型医療施設の廃止の方針が打ち出されました。また昨年11月11日に行われた中医協の慢性期入院医療の包括評価調査分科会で医療区分の原案が決定されました。医療区分による報酬は中医協で決定されるわけですが、何の根拠もなく医療区分1は入院の必要のない患者と定義付けられ介護老人保健施設より低い報酬になりました。これは、昨年の第13回東京大会前の10月19日に医療制度構造改革試案が発表され、そこに書かれている「高齢者が長期に入院する病床について、生活環境に配慮された居住系サービスへの転換を促進する。」という流れに沿った形で着々と事は進んでいたわけです。今年6月には介護療養型医療施設の廃止等が国会で議決されこの方向はもはや変える事は困難な情勢です。

 この逆境を契機に、療養病床は機能分化を進めてゆく中で、今まで以上に病院らしくあり続けなければなりません。そのためには病院部分の充実、住まいの機能の分離などを図り効率的で安全な質の良いサービスの提供を真剣に考えなければいけない時に来ています。そのためには職員教育や研修も重要です。この全国研究会をその場に活用していただければ幸いです。高齢者の生活や人生を見すえ、医師をはじめとした多くのスタッフがチーム医療を行うことは療養病床の得意とするところであり、我々医療人の使命だと思っています。また療養病床の医師には総合的な診断能力も求められています。急性期医療を支えるのはこのような療養病床の力が大きいと思っています。療養病床なくして急性期医療は成り立たないと考えています。いずれにしても、患者さんが満足できるサービス提供が私たちの使命であり、また職員が生きがいを見つけ職場に誇りを持てるように導く必要があります。職員の満足なしには決して良いケアはできないと確信しています。

 今後、在宅で療養する高齢者はどんどん増えてゆきます。療養病床には多くの職種の人がそろっておりチーム医療に取り組んでいます。この機能を在宅療養にも提供してゆかなければならないと考えています。地域での診療所を中心にしたケアシステムが構築されたうえで、療養病床もこのシステムに積極的に参加してゆく必要を感じています。

 本来なら療養病床の再編に当たっては当然検討していかなければならなかった事すなわち、医療区分の妥当性の検証、介護療養型医療施設の転換先と考えられる介護老人保健施設の機能の見直し、在宅療養支援体制の充実など、の検討を厚生労働省はやっていません。このことが今日の混乱の原因になっていると考えています。これから日本療養病床協会が核となって、検討していかなければならないと考えています。

 山奥のさくらは誰に見られなくても毎年美しく咲いています。私たち療養病床で働く者も慢性期医療の真のあるべき姿に向かって邁進して行きましょう。きっと美しい物は美しいと評価されると信じています。今日お集まりの皆様はこの使命を果たしていっていただける仲間だと確信しています。

 毎年言っていることですが、我々のケアするお年寄りは、今、失われ様としている日本のよい文化、食習慣、緑に満ちた自然、自然をうたった歌などに慣れ親しんでいるのです。この文化を私たちが学び理解しなければ真のケアはできないと思っています。決してケアする側の文化や価値観を押しつけてはいけません。また私たちは良い日本の習慣や文化を後世に伝えてゆかなければならない立場にもあるとも思っています。

  最後になりましたが、清水大会長はじめ、京都の会員病院の皆様にはこの研究会の開催に当たり大変お世話になりました。この場をかりて厚くお礼申し上げ、開会の言葉と致します。

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