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第16回日本療養病床協会全国研究会[福岡大会]
 福岡大会開催に向けて
 

福岡県療養病床協会会長
特定医療法人原土井病院理事長 
原 寛  

 日本は超高齢社会(人口の21%以上が65歳以上)となり、モデルとなる先進国がないまま医療制度改革を模索していかなければなりません。その最中、介護療養病床の廃止が決定され、38万床の療養病床は15万床に減床されることが既成事実のように言われています。医療の必要度が高い医療区分2,3に該当する患者が現在のところ15万人しかおらず、差し引き23万人は介護施設でも十分対応可能との判断が根拠のようです。

 しかしながら今後、団塊の世代の本格的な高齢化により、15年後には医療区分2,3の人口は41万人以上になり、早晩、病床数は増床せざるを得なくなってしまいます。

 そうした矛盾は転換型老人保健施設移行への混乱、15万床への減少計画を20万床に変更するなどの迷走をもたらしています。医療費を適正に維持していく努力は必要ですが、高齢者が途方に暮れ、難民化するような施策を議論もなしに導入すべきではありません。

 福田首相は国民生活を第一の施策とし、社会保障国民会議の発足を発表しました。国民生活の中心は社会保障であり、高齢社会ではそれは医療・介護を充実させることに他なりません。
  しかし、国は今後10年間で道路事業費に59兆円をつぎ込むほか、社会保障費のうち高齢者による自然増分2200億円を毎年、圧縮していくことを決めました。社会保障軽視の政策は弱い立場の国民、高齢者に生活不安として跳ね返ってきます。私達は慢性期医療に関与する者として、そのことを広く社会に知ってもらい、より良い提案を行っていく責務があるのではないでしょうか。

 10年前に開催された福岡大会での抑制廃止宣言で認知症高齢者の尊厳を維持し、それを支えるケアが進歩しました。その原点は「患者さんが困らないためにはどうしたらよいのか」であると思います。今後は、更に広い意味で患者さんのために我々医療者は考え、行動を起こしていくべきであると考えます。今回の福岡大会ではその原点を踏まえ、シンポジウムにおいてはケアの質の向上、チーム医療について、また、超高齢社会での認知症の問題と療養病床などの分野について活発な情報交流と提言を行います。

 市民フォーラムでは出来るだけ多くの市民にもご参集いただき、超高齢社会にあって療養病床はどうあるべきなのか、問題提起と積極的な提案をしていきたいと思います。大会の締めには100歳を超え、世界一周講演の旅を続ける世界最長寿の教育者、地三郎先生に健やかな老いについてお話しいただく予定です。

 今回は福岡での開催ということで「食」も楽しみの一つかと思います。玄界灘で育った海の幸は調理を凝らさなくても絶品です。本大会も派手な趣向はありませんが、素材と内容で素晴らしい大会となりますよう尽力してまいりますので是非、多くのご参集をお待ち申し上げます。

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