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「老年医学の継承発展に関する要望書」
 
「老年医学の継承発展に関する要望書」を文部科学省 医学教育課長様に提出しました。
 
 


 
 


日慢協第21-07号
平成21年8月27日
   
 


文部科学省
医学教育課長 様
   
 


一般社団法人日本慢性期医療協会
会長 武久 洋三
   
 


     
 


老年医学の継承発展に関する要望書
   
 


     
 


謹啓 新涼の候ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

 さて、大学医学部における老年医学講座は近年縮小の傾向にあり、当日本慢性期医療協会としては、国民の福利に少なからぬ影響を及ぼすのではないかと懸念しているところであります。

 今後の日本の厳然たる事実として到来するのが超高齢社会であり、今や急性期医療の現場でも患者の3分の2以上が高齢者という時代となっております。高齢者を身体的には成人の一部と考えることは異論が多く、小児科と同じように身体環境の異なった集団として特別な治療が必要とされております。そのため、旧来より各大学に老年医学の講座が創設され、日本でも高齢者に対する医療の学問的研究が進んでいることは誠に評価されるべきことと存じます。

 しかしながら、ここにきて老年医学講座の廃止や統合が行われようとすることは、今後爆発的に増加し、老年医療の需要がさらに大きくなろうとする時代に逆行するものではないかと危惧しております。どの診療科においても高齢者の占める比率は高く、小児科など一部を除くすべての診療科で老年医学の専門性が必要とされております。老年医学の視点から診療できる医師の養成を怠っては慢性期医療のみでなく、急性期医療の現場でも的確な診断、治療を欠くことにもつながりません。

 当日本慢性期医療協会の会員施設では、高齢者の医療を担当するする機会が多くある中で全国の老年医学の先生方にご支援いただき、診療に大いに参考にさせて頂いております。時代背景や日本の現状を鑑みて、医学教育の場においても老年医学の継承・発展についてご高配いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
   
 


敬具
   
 


 
 

 
 

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