被災地では、医療の現場においても通常業務に戻りつつあるが、特に高齢者においては、震災の影響により生じた心身機能の低下は短期間で回復するものではない。このような高齢者への医療の需要が増えている中で、被災地において慢性期病床への入院を希望しても、病床規模の縮小や閉鎖もあり、思うように入院することができないのが実情である。また、現在は定床をオーバーしての入院が認められているが、長期にわたる療養環境として望ましいとはいえず、現場スタッフの負担も増すばかりである。さらに、急性期での治療を終えたものの、人工呼吸器、気管切開等の重度慢性期医療を必要とする患者は、在宅や介護施設での対応は難しく、慢性期病床において医療的な管理が必要である。以上のような理由から「仮設慢性期病床」の設置を要望したい。