7月29日に平成23年度第5回「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」が開催され、コスト調査の集計結果と、報告書(案)についての検討が行われた。
コスト調査の結果について、委員として出席している武久洋三会長より、調査の客体数が少なく全体を表してはいない、収支だけの調査で患者の状態像が伴わないのでは実態を表しているとは言えず調査には限界がある、慢性期医療の収支差額(利益率)は急性期なども勘案して何%が妥当と思われるのか、と指摘された。
さらに、医療療養病床の現場では、医療区分の評価票に毎日記載し、喀痰吸引のチェックも1回毎に行わなければならないという、医療本来の有り方として、記録に関する負担の重さはどうなのか、是非、現場の状況を直接見てほしい、と強く求められた。
今回の審議をもって、本分科会は報告書をまとめ中医協に上申することになった。診療報酬改定に関する今後の具体的な議論は中医協の場で行われる。
当協会としては、引き続き厚生労働省他関係者各位と意見交換を行い、未来を見据えたビジョンをもって、慢性期医療の充実発展に邁進する所存である。